2021年3月10日、今日はChrome OSの10周年であり、GoogleはChrome OSの最新版「Chrome OS 89」の新機能を発表しました。これらの新機能は、順次提供が開始されます。
さっそく、実際に触ってみた新機能を紹介していきます。
Phone Hub:Androidスマートフォンを直接制御
最も印象的な新機能は、Androidスマートフォンの状態や通知をChromebook側で操作できる「Phone Hub」です。
ざっくり分かりやすく言うと、iPhoneとAppleWatchのような関係。
「Phone Hub」の実装で、AndroidスマホとChromebookの距離はグッと近づいたと言えます。
- Androidスマホのテキストメッセージに応答
- Androidスマホのバッテリー状態を表示
- 無くした身近のAndroidスマートフォンを探す
- AndroidスマートフォンのアクセスポイントをON/OFF
また、Phone Hubには、Androidスマホで最近使用したChromeブラウザのタブもいくつか表示されるため、出先でスマホから閲覧していた記事を、家に帰ってからChromebookでゆっくり読み続けることも出来ます。
新しいPhone Hubは、以下の手順で有効にできます。
- Phone Hub を使用するには、お手持ちのAndroidスマホに最新のGooglePlayServiceをインストール。
- Chromebookに最新のChrome OS 89をインストール。
- 両方のBluetoothをオンにすると自動にPhone Hubが表示されます。
トート:重要なファイルを手元で管理
これまではダウンロードしたてのファイルや、スクリーンショットしたての画像を探すためにファイルを開いていました。
新しく実装されたトートを使えば、この手間を解消することが出来ます。
タスクバーにスクリーンショットや最近のダウンロードファイルが表示されているので、すばやくアクセス出来ます。
スクリーンキャプチャを実行したり、ファイルをダウンロードしたり固定したりすると、シェルフにトートがポップアップ表示されます。
その他にも、マウスや指でファイルや写真をChromeアプリにドラッグアンドドロップして、簡単に移動させることが可能になりました。
Screen Capture:強力なスクリーンキャプチャツール
元々、Chromebookでは以下のキーボードショートカットでスクリーンキャプチャが出来ました。
- デスクトップ全体:[Ctrl]+[ウィンドウ一覧]キー
- ドラッグで指定した領域:[Ctrl]+[Shift]+[ウィンドウ一覧]キー
これに加えて、画面右下のステータストレイから、スクリーンキャプチャを行うことがきるようになりました。
もともとChrome OSのスクリーンキャプチャは複数のキーを同時押ししなければならないため、「片手操作で画面保存出来ないのが不便…」と思っていましたが、これで解消されたことになります。
その他にも、撮影対象の切り替えや録画機能もここから選択することが出来るようになりました。
クリップボード履歴:コピーと貼り付けの効率を向上
これまではCtrl+Cでコピーして、Ctrl+Vで貼り付けていましたが、アップロード後は強力なコピー機能が追加されました。
[検索]+[V]キーを押してみてください。
なんと、これまでのクリップボード履歴が直近の5件表示されていることがわかります。
Desk:デスクのアップデートでマルチタスクが容易に
デスクの機能がアップデートされ、ワークスペースの整理がしやすくなりました。
まず初めに、Chromebookをシャットダウンしても、前回使用していたウィンドウが以前のデスクに復元されるので、作業中のウィンドウがうっかり消えてしまうことが無くなりました。
デスクへのアクセスは、ウィンドウ一覧キーが利用可能となりました。その他にも、タスク一覧画面の上部にあるバーでデスクの追加やリネームが行えるようになっています。
まとめ
今回の記事では、Chrome OSが誕生10周年を記念したChrome 89アップデートで追加された新機能を紹介しました。
Chrome OSが発表されてから、しばらくは「Windowsが圧倒的に便利」「これはパソコンではない」など使った方の評価は悪かったように思います。
ただ、Chrome OSも10年の月日でWindowsやMacとは異なるPCの価値を確立しつつあると思っています。